補助金の事業計画の支援を依頼すべき専門家の特徴3選+1

コラム

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本記事は補助金の活用を考え始めたけれども、どのような専門家に相談すべきか迷っている社長に読んでいただきたい内容です。

それでは、筆者なりの見解をご紹介します。

その1.多数の採択実績を持っていること

補助金や助成金の申請業務は、下記の点で独特の難しさがあり、知識や経験のない一般の人がいきなり手掛けるのは失敗して時間の無駄になる可能性が高く、効率が悪いと考えられます。

  • 募集要項(公募要領)の文章量が多く、独特の言い回しもあり、読み解いて申請書に落とし込むのが大変である
  • 補助対象となる経費などの解釈にも一定の知見が必要であり、対象外の経費を申請してしまうと無駄であるどころか、採択後の交付段階で否認されてしまうリスクが有る※1
  • それぞれの補助金には審査項目という、配点のようなものがあり、示された項目になるべく沿った形の申請を書くことで、得点を積み上げていくテクニックがあり、一定の専門性・知見を要する

※1.採択段階での審査はあくまでその申請書の事業計画が、その補助金の募集の趣旨に適合しているかの審査であり、対象経費が適正であるかどうかの検証を行うわけではありません。

事業計画書などの提出資料の作成自体は行政書士の独占業務であり、その他のコンサルタントや中小企業診断士などの士業は申請の支援を行うに留まりますが、それらのライセンスを持っているからと言って補助金に精通しているかどうかは分かりません。HPなどの記載内容で、それらの業務の経験を有しているかを調べておく必要があります。
また、「ものづくり補助金は得意だが、IT導入補助金は経験がない」「小規模事業者持続化補助金は沢山採択実績があるが、事業再構築補助金は実績がない」という具合に補助金の種類によって得手不得手も有り得るため、獲得しようとしている補助金に精通している専門家を選ぶ必要があります。

その2.料金設定が適切であること

申請支援の提供料金は、「着手金+成功報酬」で構成されているケースが大半です。例えば補助額が1,000万円前後ものづくり補助金の場合なら、「着手金10万円~15万円、成功報酬と着手金を合わせて100万円前後(つまり補助額の10%相当)」といった金額感なら標準的と考えて良いと筆者は思います。事業計画の枚数がA4用紙10ページほどで、ヒアリング+事業計画の作成にかかる工数を考えると、多すぎず・少なすぎずといったところです。

一方で、「着手金ゼロ、成功報酬●百万」といった具合に極端な金額体系を提示している業者は見送ったほうがいいかもしれません。申請する事業の内容や作成にかかる時間によってやむを得ず高額になるケースも全く無いとはいえませんが、補助金採択後の事業の遂行を考えても数百万の負担は適正金額とは言えないと思います。

また、あまりに安すぎる金額提示も支援のクオリティが担保できない可能性もあり、お勧めできません。「適正な報酬を受け取り、しっかり支援をする」という姿勢の専門家を選ぶべきです。

その3.申請後のフォローもやってくれること

補助金は採択されてすぐにお金がもらえるわけではありません

例えば事業再構築補助金であれば、「Jグランツを使った交付申請」「見積書/発注書/納品書/請求書/代金支払済みを示す証票などの取得」「事業実施内容の実績報告」「確定審査」など、採択決定後にも様々な対応が発生します

これらも、未経験の事業者がミスなく完遂することは困難であり、「採択取ってサヨウナラ」ではなく、最後まできちんと伴走してくれる専門家を選ぶべきであるといえます。

【更に言うなら】補助金以外の代替案を提案できること

補助金は返済不要のお金ではあるので、経営者にとっては非常に魅力的に映るのは間違いありません。しかし一方で、交付そのものは後払いである(=交付までの資金は自力調達しなければならない)ことや、採択決定後には事業内容の変更が出来ないこと、収益納付の義務など、運用には独特の難しさがあります

※収益納付:「補助金等適正化法」等の規定により、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を返納する必要があること。

また、補助金を獲得すること自体が目的化してしまい、本来的にやりたい事業の内容を公募要領の内容に寄せて方向性を変えてしまうことなども本末転倒であると言えます。

このようなことを踏まえ、経営者から相談を受けた際、その事業内容が補助金を使うことがベストではないと考えられた場合に、融資調達や資本家とのパイプを繋ぐ、更にはクラウドファウンディングなど、代替的な資金調達手段を提案・支援できる力量のある専門家であれば言うことはありません。

今回は以上です。
新しいビジネスを構想していたり、新しい人材を獲得して経営を充実させようとしている経営者の皆様のお役に立てれば嬉しいです。

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