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企業継続の要とも言える資金繰りについて、正に「明日から使える」レベルの改善テクニックを中小企業の資金繰りコンサルタントとして活躍する税理士の著者が非常に読みやすい文体で解説している書籍です。
どんな内容?
「『未払費用』の活用で現金を残し節税」「経費に領収書は不要」「『小規模企業共済』は借金してでも積み立てろ」「ドローン事業で節税と運用を両立しろ」「社長は賞与を前借りせよ」「ヴィトンのバッグもアップルウォッチも経費で落とせ」「生命保険は決算月に契約せよ」などなど、セオリーの逆張りとも読めるような言葉が帯のキャッチコピーに記載されています。
しかし、それぞれのノウハウは税理士である著者の業務経験に裏付けられた「使える資金繰り対策」であり、著者の「企業の危機を救い、チャンスを最大限に活かすために、社内にキャッシュ(現金)をなるべくたくさん確保すべきだ」という考えのもと、50のテクニックが提案されています。
本書は3つの章から構成されており、以下のような内容が記されています。
- 第1章:キャッシュのない会社は即倒産!
- 第2章:顧問税理士が教えてくれない資金繰りクニック50
- 第3章:資金繰り専門の税理士を味方につけて
著者はどんな人?
著者の菅原由一氏は顧客企業の業績アップにこだわったサポートを行うSMGグループのCEOを務め、ブログ「菅原の黒字経営の極意!」で全国の税理士人気ブログランキングで1位を獲得されています。同社のHPによると「圧倒的に税務調査に強い税理士として知られ、税務調査立会い依頼が後を絶たない。銀行が絶賛する独自資料の作成で、赤字会社も含め融資実行率は95%以上。顧問先の黒字企業割合は85%を実現し、全国平均30%を圧倒的に凌ぐ」と書かれています。
どんな社長におすすめ?
本書で提案されているノウハウは、「儲かっている企業が、なるべく現金を手元に残すために、経費の計上方法を工夫したり、銀行からなるべくいい条件でたくさんの融資を獲得できるための『銀行の担当者から高い評価を得られる』決算書の改善方法」などが中心である印象を持ちました。
そのため、「利益を少しでも多くキャッシュとして社内に残したい社長」「経営の安全性を高めるため、また今後の投資の余力を確保するために金融機関からの融資を引き出したい社長」など、「攻め」と「守り」をキャッシュフローの観点から意識して事業継続を心がける創業から2~3期目の社長にお勧めしたい書籍と思います。
この本のおすすめポイント
(1)実践的・具体的なノウハウが、その対策を提案するハッキリした理由とともに書かれている
(2)1つのテクニックに付き2ページ~4ページとコンパクトに纏められているため、移動時間などのスキマ時間で読むにも適している(全211ページだが、筆者の場合読了まで2時間もかかりませんでした)
(3)「『無借金経営が良い』は幻想」「経費に領収書は不要」「退職金は3回払える」など、常識として一般の経営者が思いこんでいるセオリー的なやり方を、資金繰り改善の観点から切れ味よく否定することで、読者の記憶に残りやすい内容となっている
以上の3つのポイントがあると筆者は考えます。
価格は1,500円(税別)です。
「勘定合って銭足らず」で、黒字なのに支払いができずに倒産という事態を回避するために、この本に書かれている有益な対策を早めに実践する会社様が増えることを祈って止みません。
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激レア 資金繰りテクニック50
発売日 : 2021/8/13
単行本(ソフトカバー) : 214ページ
価格:1,650円(税込)
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